7. 日本株市場
日本株ならではの市場構造・税制・優遇制度を一通り押さえます。NISAの活用法も。
7.1 東証の市場区分(2022年再編後)
| 市場 | 特徴 | 主な銘柄 |
|---|---|---|
| プライム | グローバル基準の最上位市場 | トヨタ、ソニー、三菱UFJ等の大型株 |
| スタンダード | 中堅・中小の安定企業 | 地域有力企業など |
| グロース | 成長期待のベンチャー | 新興IT、バイオ等 |
このほか、地方の証券取引所(名証・札証・福証)もあります。
7.2 日本の代表的な株価指数
- 日経平均株価(日経225):日本経済新聞社が選ぶ225銘柄の単純平均型指数。ユニクロ(ファーストリテイリング)や東京エレクトロンなどの「値がさ株」の影響が大きい。
- TOPIX:旧東証一部の全銘柄を時価総額加重した指数。市場全体の動きを反映。
- JPX日経400:ROEや時価総額など基準を満たす400銘柄を選定。
- マザーズ指数 → グロース市場250指数:新興市場の指数。
7.3 日本株の独特なルール
- 単元株 = 100株:最低売買単位
- 呼値(よびね):株価帯ごとに細かく決まった注文可能な価格の刻み幅
- 値幅制限(ストップ高・安):基準値段から日々定められた上下限
- 東証の取引時間:9:00-11:30 / 12:30-15:30(2024年11月から30分延長)
7.4 NISA(少額投資非課税制度)2024年新制度
通常、株の利益には20.315%の税金がかかりますが、NISA口座での運用益は非課税です。
| 枠 | 年間投資上限 | 対象 |
|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 120万円 | 金融庁認定の投資信託等 |
| 成長投資枠 | 240万円 | 個別株・ETF・投信 |
| 合計 | 年360万円 | 生涯非課税限度1,800万円 |
新制度の大きな特徴は「無期限の非課税保有期間」と「売却すれば翌年に枠が復活」すること。長期投資に圧倒的に有利です。
7.5 口座の使い分け
- NISA口座を最優先で埋める(非課税)
- 余剰分は特定口座(源泉徴収あり)で運用
- 本格的に節税したい人はiDeCo(個人型確定拠出年金)も併用
7.6 税金の基本
株式の譲渡益・配当には20.315%(所得税15% + 住民税5% + 復興特別所得税0.315%)が課税されます。
- 源泉徴収あり:証券会社が自動で天引き、確定申告不要
- 損失の繰越控除:年間で損が出たら、確定申告で3年間繰り越せる
- 損益通算:複数の証券会社の損益を相殺できる(要確定申告)
7.7 株主優待
日本独自の制度で、企業が自社製品・割引券・QUOカードなどを株主に贈ります。
- 権利確定日に株主名簿に載っている必要がある
- その日の2営業日前(権利付き最終日)までに買えばOK
- 権利落ち日から株価が下がる傾向があるので、長期保有前提で考える
- 人気優待銘柄:オリックス(廃止予定で話題)、すかいらーく、KDDI、イオン等
優待の上手な活用
優待利回り(優待相当額 ÷ 株価)と配当利回りを合算した「総合利回り」で考えると、3〜5%超になる銘柄も多くあります。
7.8 配当の権利確定スケジュール
日本企業の多くは3月決算で、9月・3月に配当を出します(中間配当 + 期末配当)。権利付き最終日に持っていれば配当を受け取れますが、翌営業日の権利落ち日には配当分だけ株価が下がるのが普通です。
7.9 日本市場ならではの動きの癖
- 為替敏感:円安で輸出企業(自動車・電機)が買われやすい
- 米国市場と連動:朝の寄付きは前日のNYダウ・ナスダックの影響大
- 3月・9月の決算前後に大きく動く銘柄が多い
- 季節要因:3月末・9月末の権利取り、年末のドレッシング買い、年初のご祝儀相場
まとめ
- 東証はプライム・スタンダード・グロースの3市場に再編
- 新NISAは年360万円・生涯1,800万円まで非課税、まずココを埋める
- 株式の譲渡益・配当には約20%の税金。源泉徴収あり特定口座が便利
- 株主優待を活用すると総合利回りが上がる
- 日本市場は為替と米国市場の影響を強く受ける