8. 米国株市場
世界最大の株式市場。日本株とのルールの違いと、米国株投資の前提知識をまとめます。
8.1 米国の主要取引所
- NYSE(ニューヨーク証券取引所):世界最大。コカ・コーラ、JPモルガン、ジョンソン&ジョンソンなど伝統的大企業
- NASDAQ:ハイテク中心。Apple、Microsoft、Google、Amazon、NVIDIA、Tesla等
- NYSE ARCA:ETFが多く上場
8.2 代表的な株価指数
| 指数 | 銘柄数 | 特徴 |
|---|---|---|
| S&P 500 | 500 | 米国を代表する大型株500銘柄、米国市場のベンチマーク |
| NYダウ(DJIA) | 30 | 歴史的指数。30社の株価平均 |
| NASDAQ 100 | 100 | NASDAQの非金融大型100社、ハイテク中心 |
| Russell 2000 | 2000 | 中小型株の代表的指数 |
8.3 取引時間と日本との時差
- レギュラー:米東部時間 9:30 〜 16:00
- 日本時間:23:30 〜 翌6:00(標準時、冬時間)
サマータイム期:22:30 〜 翌5:00 - プレマーケット(4:00〜9:30)とアフターマーケット(16:00〜20:00)あり
- 日本のネット証券は基本的に米国市場時間と一部時間外取引に対応
サマータイムに注意
米国は3月第2日曜〜11月第1日曜までサマータイム。1時間早まるので「あれ、取引時間が変わってる!」とならないよう注意。
8.4 ティッカーシンボル
米国株はアルファベット1〜5文字のティッカーで識別します。日本の証券コード(4桁数字)と違います。
- Apple → AAPL
- Microsoft → MSFT
- Amazon → AMZN
- Tesla → TSLA
- NVIDIA → NVDA
- Berkshire Hathaway → BRK.B
8.5 1株から買える
米国株は1株から購入可能。日本のような単元株(100株)の縛りはありません。1株1万円の銘柄なら1万円から投資できます。
近年は端株(フラクショナル株)といって0.1株単位で買えるサービスもありますが、日本のネット証券では限定的。
8.6 値幅制限がない
日本株のようなストップ高・安はありません。1日で30%、50%動くこともあるので、急変動への備えが必要です。
ただし、市場全体が暴落した場合のサーキットブレーカー(取引一時停止)制度はあります。
8.7 配当の特徴
- 多くの企業が四半期配当(年4回)
- 増配の連続記録を誇る「配当貴族(Dividend Aristocrats)」「配当王(Dividend Kings)」が存在
- 例:Coca-Cola、Procter & Gamble、Johnson & Johnson は50年以上連続増配
8.8 税金 — 二重課税の調整
米国株の配当は米国で10%源泉徴収 → 残りに日本で20.315%課税と、二段階で課税されます。
- 譲渡益:日本で20.315%のみ(米国側はかからない)
- 配当金:米10% + 日20.315%(実質約28%)
- 外国税額控除を確定申告すれば米国で取られた10%が一部還付される
- NISA口座での米国株配当は、米10%は引かれるが日本側は非課税(外税控除は使えない)
8.9 為替リスク
米国株は基本ドル建て。買うときに円→ドル、売って円に戻すとき、為替の影響を受けます。
- 株価が +10% でも、円高で -15% ならトータルで損になることも
- 逆に株価横ばいでも、円安が進めば為替差益が出る
- 為替手数料:1ドルあたり25銭〜数銭。SBI証券などは住信SBIネット銀行経由で安くできる
8.10 知っておきたい米国株用語
- GAFAM / MAG7(マグニフィセント・セブン):Apple, Microsoft, Alphabet, Amazon, Meta, NVIDIA, Tesla
- ADR(米国預託証券):米国市場で取引できる外国企業の証券(例:トヨタADR)
- EPS:1株あたり利益。決算では「EPSとガイダンス(予想)」の達成可否が重要
- FRB / FOMC:米国の中央銀行と金融政策決定会合。米国株の方向を決める最大要因
- 10年債利回り:株価との逆相関で動くことが多い、ハイテク株は特に敏感
8.11 米国株の魅力と注意点
魅力:世界経済をリードする企業群、長期で右肩上がりの主要指数、株主還元への意識の高さ、四半期配当。
注意:為替リスク、二重課税、決算英語、ボラティリティの大きさ。
💡 初心者向けのスタート
個別株が怖い場合は、まず S&P500連動ETF(VOO、SPY) や 全米株式ETF(VTI) から始めるのが定番です。
まとめ
- NYSEとNASDAQが2大取引所、S&P500がベンチマーク
- 取引時間は日本時間の夜中、サマータイム要注意
- 1株から購入可能、値幅制限なし
- 配当は四半期、配当貴族銘柄が魅力
- 税金は日米二重課税、外国税額控除で調整可
- 為替リスクと米国金利動向が大きな変動要因