4. テクニカル分析
過去の株価・出来高から将来の動きを推測する手法。代表的な指標の意味と使いどころを押さえましょう。
4.1 テクニカル分析の考え方
テクニカル分析は「すべての情報は株価に織り込まれている」「歴史は繰り返す」という前提に立ちます。指標は大きく次の2系統に分かれます。
- トレンド系:相場の方向を捉える(移動平均線・MACD・ボリンジャーバンド・一目均衡表など)
- オシレーター系:買われすぎ・売られすぎを判断(RSI・ストキャスティクス・サイコロジカルなど)
4.2 移動平均線(MA)
一定期間の終値の平均を線でつないだもの。短期5日線、中期25日線、長期75日線がよく使われます。
ゴールデンクロス/デッドクロス
- ゴールデンクロス:短期線が長期線を下から上に抜ける → 買いシグナル
- デッドクロス:短期線が長期線を上から下に抜ける → 売りシグナル
株価と移動平均線の位置関係も重要です。価格が長期線の上にあれば長期的に上昇基調、下にあれば下落基調と判断できます。
グランビルの法則
移動平均線に対する株価の位置と方向の組み合わせから、買い・売りシグナルを8パターンに分類した古典理論。テクニカルの基本中の基本です。
4.3 MACD(マックディー)
移動平均収束拡散法。短期EMA(12日)と長期EMA(26日)の差を「MACD線」、その移動平均を「シグナル線」として表示します。
- MACD線がシグナル線を下から上に → 買い
- MACD線がシグナル線を上から下に → 売り
- 0ラインより上 → 上昇基調 / 下 → 下降基調
移動平均線より反応が早く、トレンド転換を早めに察知できます。
4.4 RSI(相対力指数)
一定期間(通常14日)の値動きから、買われすぎ・売られすぎを 0〜100% で表します。
- 70%超:買われすぎ → 売りを検討
- 30%未満:売られすぎ → 買いを検討
- 50%付近:中立
注意:強いトレンド相場では70%超/30%未満が続くこともあります。RSI単体で逆張りせず、他の指標と組み合わせるのが基本です。
4.5 ボリンジャーバンド
移動平均線を中心に、上下に標準偏差(σ)の2倍・3倍の線を引いた指標。価格はバンド内に収まる確率が高く(±2σで約95%)、バンドからの逸脱が売買シグナルになります。
- スクイーズ(バンド収縮):方向性なし、エネルギーを蓄積中
- エクスパンション(バンド拡大):強いトレンド発生
- バンドウォーク:株価が +2σや -2σ に沿って動く強いトレンド
4.6 一目均衡表(いちもくきんこうひょう)
日本生まれの本格派指標。5本の線(基準線・転換線・先行スパン1・2・遅行線)と「雲」で構成されます。
- 価格が雲の上 → 上昇トレンド
- 価格が雲の下 → 下落トレンド
- 雲の中 → トレンド転換中・もみあい
- 転換線が基準線を上抜け → 買い、下抜け → 売り
4.7 出来高系の指標
- OBV(オン・バランス・ボリューム):株価上昇日の出来高を加算、下落日は減算した累計値。価格より先行することがあります。
- VWAP(出来高加重平均価格):その日の売買金額 ÷ 出来高。デイトレで「平均的な約定値」の目安に使われます。
4.8 指標を組み合わせる
1つの指標だけに頼るとダマシ(誤シグナル)に振り回されます。実践では次のような組み合わせが定番です。
| 方向感の確認 | タイミング判断 |
|---|---|
| 移動平均線・MACD | RSI・ストキャスティクス |
| 一目均衡表(雲) | ボリンジャー±2σ |
⚠️ テクニカル分析の限界
決算発表・経済指標・地政学イベントなど、ファンダメンタル要因による急変動は予測できません。ニュースカレンダーの確認は必須です。
まとめ
- トレンド系(方向)とオシレーター系(強弱)を組み合わせる
- 移動平均線とMACDで大局を、RSIとボリバンでタイミングを掴む
- 強いトレンドでオシレーターは効きにくい点に注意
- ダマシを減らすため、複数指標の合意で判断する