2. 注文方法
注文の種類と「板」の読み方を理解すれば、思った通りの値段で約定できる確率が上がります。
2.1 注文の3つの基本形
① 成行(なりゆき)注文
値段を指定せず「いくらでもいいから売買する」注文。すぐに約定(売買成立)したいときに使いますが、想定外の高値で買ったり安値で売ったりするリスクがあります。
② 指値(さしね)注文
「この値段以下なら買う/以上なら売る」と価格を指定する注文。希望の値段で取引できますが、その値段にならなければ約定しません。
③ 逆指値(ぎゃくさしね)注文
「指定価格に達したら成行注文を出す」自動発注。主に損切りや利益確定に使います。「1,000円まで下がったら売る」といった使い方をします。
| 注文種別 | 約定スピード | 価格コントロール | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 成行 | 速い | × | 確実に約定したい時 |
| 指値 | 遅め | ○ | 狙った価格で買いたい時 |
| 逆指値 | 条件次第 | △ | 損切り・トレンド追随 |
2.2 「板(いた)」の読み方
板情報とは、各価格に出ている注文数を表示した一覧表です。需給の偏りや、約定する価格帯を読み取れます。
| 売気配株数 | 価格 | 買気配株数 |
|---|---|---|
| 3,500 | 1,005 | — |
| 2,100 | 1,004 | — |
| 1,800 | 1,003 | — |
| 900 | 1,002 | — |
| — | 1,001 | 700 |
| — | 1,000 | 2,300 |
| — | 999 | 1,500 |
| — | 998 | 2,800 |
上記の例では、最良売気配(売り側で最も安い)が 1,002円、最良買気配(買い側で最も高い)が 1,001円。この差をスプレッドといいます。今すぐ買うなら1,002円、売るなら1,001円で約定します。
2.3 約定の優先順位
注文は次の3つのルールで優先順位がつけられます。
- 価格優先:買いは高い注文、売りは安い注文が優先
- 時間優先:同じ価格の場合は、先に出した注文が優先
- 成行優先:成行注文は指値注文より先に処理される
2.4 取引時間(東証)
- 前場(ぜんば):9:00 〜 11:30
- 後場(ごば):12:30 〜 15:30 ※2024年11月から30分延長
- その日の終値を決める クロージング・オークション:15:25〜15:30
取引時間外の注文も翌営業日の寄付き(始値)に向けて受け付けられます。
2.5 知っておきたい特殊な注文
- 寄付(よりつき)注文:その日の最初の取引で約定させたい注文
- 引け(ひけ)注文:その日の最後の取引(終値)で約定させたい注文
- IOC注文:すぐに約定しなかった分はキャンセル
- OCO注文:2つの注文を出し、片方が約定したらもう片方を自動キャンセル
2.6 ストップ高・ストップ安
株価が1日に動ける幅には上限があります。これを値幅制限といい、上限まで上がるとストップ高、下限まで下がるとストップ安と呼びます。値幅制限は基準値段により決まっており、たとえば株価1,000円台なら ±300円程度です。
⚠️ 注意
寄付き直後や引け直前は値動きが激しくなりがちです。初心者は成行注文を避け、指値で慎重に注文しましょう。
2.7 注文を出す前のチェックリスト
- 銘柄コード・銘柄名は合っているか
- 株数(単元)は正しいか
- 注文種類(成行・指値・逆指値)の選択は適切か
- 指値の場合、現在値とのズレは想定どおりか
- 有効期間(当日のみ・週末まで・期間指定)の設定
- 口座(一般・特定・NISA・信用)の選択
まとめ
- 成行 = スピード優先 / 指値 = 価格優先 / 逆指値 = 自動損切り
- 板情報から需給とスプレッドを読み取る
- 約定は「価格 → 時間 → 成行」の順で優先
- 初心者は指値中心、注文ボタンは焦らず慎重に